装具が外れてから1週間が経ち、ついに松葉杖が1本になった。私は左足を怪我したので、右側の杖が取れて、左側でサポートする形となる。違和感は残っているが、いつまでも甘えているわけにはいけないので、エレベーターをなるべく使わないようにして、積極的に階段を使うようにしている。ここで重要になってくるのが「手すり」の存在。平地は杖がなくても歩ける程だが、階段では足を上げ下げしなければならないため、危険度が高い。握力は人並みなので、手すりをしっかり握っていれば、落ちることはないし、上がるときには手の力も使えるので、非常に楽になる。
しかし、手すりは手助けにもなる一方で、厄介な存在でもある。ひとつは、私が左手に杖を持っているので、常に右の手すりが必要なこと。しかし、駅はほとんどが左側通行なので、人の流れに逆らう形になってしまう。幸いにも私の勤務の関係上、ラッシュ時間に鉄道を使うことはないのだが、それでも混雑するターミナル駅では、盛大に人の邪魔になりながら歩かなければならない。まあ、松葉杖を持っているので、人の目が冷たくないことがせめてもの救いである。
そしてもう一つの厄介なことが、ステンレスやアルミなどの金属で出来ている手すりが多いため、この時期冷たいということ。自分の人生のなかで、ほぼ初めてといっていいくらい手すりを多用しているので、これほどまでに冷たいものだと実感したのは初めてのことだ。とはいえ、手袋をすれば暖かいけど滑りやすくなるので、今の自分にとっては暖かさを犠牲にするほかない。メンテナンスフリーである一方で、本当に使いたい人に不便を強いるなんて、何たる矛盾ではないか。
さて、来週には松葉杖とさよならできる。
長かったなぁ。もう、当分御世話にならないようにしないと。