【住宅】 長持ち住宅
 「200年住宅」とは言わないで?(ケンプラッツ)の記事によると、国は「200年住宅」というキーワードを封印し、「長期優良住宅」という言葉を広げようと躍起になっているという。記事にもあるように、私たち受け手にとっては長期優良住宅より200年住宅のほうがはるかにわかりやすい。とはいえ、200年という具体的な数値を言いたくないのもなんとなくわかる気がする。消費者は思いの外我侭だからだ。
 そもそも、家を長持ちさせるには定期的なメンテナンスが必要だ。通常の木造住宅であれば外壁の塗りなおしや屋根の塗りなおし(又は葺き替え)も勿論のこと、必要に応じて白蟻駆除もやらなければならないだろう。最近の家では風呂場がユニットバスになっているが、ちょっと昔の家ならタイルの向こう側は木材だから目地が欠けてしまえばそこから水が浸入し腐敗の原因となる。

 日本最古の現存する木造建築、法隆寺は千何百年もそのままで在り続けているが、今の日本の住宅はそこまで手間がかけられているわけではないから、数十年しか持たない。昨今よく言われている日本の住宅の平均寿命はわずか30年ほど。この数値は解体された物件の平均築年数だから、それより長生きして/せざるを得ない家なんて沢山あるのだろうけど、そういう家が解体された数値が除外されているわけではないので、統計数値が大きな誤差を生んでいるとは思いにくい。
 少しでも消費者に家を買ってもらおうと、住宅メーカーでは60年の長持ち住宅をアピールしはじめている。現在の日本の法律は60年もつところまでは具体的な数値を使って表現できるそうで、実験の結果100年の耐用年数があることがわかっていても、ちゃんと言えるのは60年までなんだそうだ。とはいえその60年だって定期的にメンテナンスしなければ安心して住める家にはならない。

 いや、うちの家は50年くらいもってるんだけど、とか、再開発の立ち退きにひるむことなく在り続ける昭和の雰囲気漂う家があるじゃない、と思う方もいると思う。確かにこれらの家は古さを感じたり所々軋みが目立つこともあるが生活はできている。しかし劇的ビフォーアフターを見ていた時に感じなかっただろうか。そんな家のリフォームでは必ずと言っていいほど骨組みを補強しているはずだ。気になる人は現在BS朝日で日曜夕方5時から再放送をしているので観ることができる。青山同潤会アパートだって耐震性の問題から、きらびやかな表参道ヒルズへとそっくり姿を変えてしまっている。と、散々書いたがこれら大変なことになっている家は全て1981年の建築基準法大改正の前に建てられたものなのである。私達の記憶に残っている震災で潰れてしまった家のおおよそは改正前の建物だ(勿論被害の大きかったところでは改正後の建物であっても崩れてしまっている)。

 ここでふと気付いた人もいるかもしれないが、今は2009年。まだ1981年から30年すら経過していないわけだから、今建っている住宅の寿命なんて、本当のところはっきりわかっていない。幸い私の実家は30年以上経過しているが、子供の頃のまま何事もなく存在してくれている。ここ数年メンテナンスを怠っているが屋根を塗り替えればまだまだ大丈夫だと思っている。本当は壁も塗り替えたいが、足場を組む技術と時間がないためできない。多少の皹には目を瞑ろう。そんな私の家でも、よく考えると大改正前の建物だったりするから統計なんてわからない。大地震で崩れるかもしれないし。
 だから悪徳業者に騙されなければ、今建てている住宅は少なくとも50年は安心して住めるんじゃないかと思う。どんなにローコストな住宅を注文しようと、構造を犠牲にすることはできないから、最低限の耐震性は保持される。あとどれだけ長持ちさせられるかは、メンテナンスにかかっているわけだ。そうすれば200年も決して夢ではないと思う。逆にコンクリート造のマンションは100年経つと中の鉄骨に水が到達できるほどヤワになりそこから鉄骨が錆びていくので、木造よりもたないかもしれない。

 でも、よく考えると人間の寿命なんて80年そこいらなんだから、35で家を建てたとして、60年もつ住宅であれば充分じゃないか。自分だって今の実家を建て替えたいと思っているわけだから、自分に子供ができるならばその子供はやっぱり建て替えたいと思っているはずだ。まー、家を建て替えなければその分のお金を自分のために使えるから楽しい人生が送れると思うけど、200年もつからとはなから建て替えの選択肢がないというのはちょっと嫌かな。あ、その前に家を建てるためのお金をどうやって出すか、だ・・・
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by hidemite | 2009-02-25 20:26 |
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