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【九州旅行記】 3日目 高千穂
 今日は5時に起床し、高千穂の市街からおよそ6km離れた「国見ヶ丘」を目指します。外に出るとまだあたりは真っ暗で、静かな道路をひたすら歩きながら空を見上げれば、そこは満天の星空。電灯がついていてこれだけ多くの星が見えるとは思いませんでした。この街に住んでいたらプラネタリウムは必要ないでしょうね。しかし寒さが身に染みます。そういや昨日の天気予報で最低気温が0度って言ってたっけ。私の不確かな記憶によると6時頃の気温が最低気温じゃなかったけかと思いながら、ってことはもしかしたら氷点下なのかもしれません。
 どの観光案内にも高千穂市街から国見ヶ丘へは車で行くと書いてあり、実は徒歩で行けるとは一言も書いてないんですけど、昨日の下調べの段階で6kmくらいということがわかっていたので、連泊することもあり、初日は1時間半歩いてもいいかなと思ってとりあえず徒歩で行ってみることにしました。タクシー代払って何にも見られなかったら悲しいし。しかし、徒歩用の地図があるはずもなく、細かい部分は宿案内の簡略地図と、若干の勘を使用するしかありません。まあ、ここらへんは高千穂峡と国見ヶ丘しか見どころがありませんから、看板くらいはあるだろうと気軽な考えを持っていました。
 しかし、そううまくいくものではないもんですね。バイパスをまっすぐ地図の通りに進んでいくと「高千穂峡・国見ヶ丘→」の看板が。この先の交差点を右だなと思っていたら、手前のナススーパーから、おそらく裏手を回って下ってくるであろう道への近道階段が。右に曲がる道に近道ができると思っていたら前方からやってくる車がその道に入っていき、予感的中、近道の先へと顔を出しました。これで安心して下って行けると思ったのが、最悪のシナリオへの階段につながっていようとは、この時は知る由もありません。
 簡易地図を見ると高千穂峡への別れ道より手前にあることだけはわかっていたのですが、歩けども出て来ず、高千穂峡への案内しかしてくれません。バイパスには大きな案内が出ていたのに、あんまり国見ヶ丘って人気がないのかなーと思いながら、行き過ぎた道を引き返します。国見ヶ丘病院への道は見つかりましたが、それも行き過ぎなので、となると今来た道で山に上って行けそうな道は、どう考えても観光用とは思えない悲しい道しかありません。それでも電灯はあったので、多少間違ってもなんとかなるかなと、そのまま歩き続けました、んで突き当たりにぶつかります。右か左か、暗闇で場所もわからないとなれば勘しかありません。とりあえず国見ヶ丘と名前がついていることもあって、病院の方角をセレクト。暫くするとそのまま病院に着いてしまいました。んでもって更に山奥と思われる方へ進みますが、何故か緩やかな下り坂。一旦下ってまた上るのかなーと思ったのも束の間、行き止まりです。んで元の場所まで引き返しましたが、既に星はなくなり、うっすらと明るくなってきました。このままでは雲海どころか御来光にもありつけません。焦るほど正しい判断はできないもので、取り急ぎ逆の方角へ進んでいきますが、結局行き止まり。更には追い打ちをかけるかのごとく、犬が吠え続け朝っぱらからその土地の人に迷惑をかけてしまいました。結局始めに右に曲がる交差点まで後戻りをしてみたら、あのショートカットして見えなかった所が国見ヶ丘への入り口という非常に残念な結末。まさに、その看板はナススーパーに隠れて見えていなかったのです。そのあとは沢山のわナンバーの車やタクシーに追い抜かれ、とりあえず丘は目指せそうだと安心しました。
 なんとか国見ヶ丘に到着すると、すでに日が昇ってくるあたりはすでに強烈な光を出しておりました。そして雲海は皆無。到着した時間は6時45分で、1時間半かけてなんとか御来光にはありつけました。苦労してたどり着いたこともあって感慨もひとしお。丘からの景色も相まって、心が洗われるような気持ちになりました。帰りは道もわかっていて、明るかったこともあり迷うことなく45分で宿に帰ることができました。んで、とりあえず朝飯食って、風呂入って、高千穂の世界を丸一日かけてまわります。
 まずは高千穂峡。こちらも宿から2kmくらい離れていますが、歩いて向かいます。峡に近づくほど坂が急になり、ついには軽いいろは坂のようになっていました。5ターンほどでしょうか、帰りもこの坂を昇るんだよなーと思うと非常にげんなりするほど坂の入り口がはるか天空に見えます。しかしその苦労は高千穂峡を見ることで一気に吹き飛んでしまいました。十中八九自然が作り出したものなのですけど、岩の形が非常に整然としていて、綺麗な絶壁を作り出しています。水面の色もエメラルドグリーンで非常に幻想的。ここではボートに乗れるようでしたが、30分1500円なことと、ボートで行ける範囲が意外にも狭かったということで、諦めました。水面からの眺めは綺麗だとは思いますし、来たからには体験しようと思っていたのですけど。
 その後、高千穂神社に到着。昨日は観光客向け夜神楽で夜に訪れただけだったので、明るい中をじっくり見たのは今日が初めて。この神社だけではないけど、とにかく樹齢ウン百年という木が満載です。ここ高千穂神社では800年の巨大な杉を見ることができます。時期によっては花粉症の人は耐えられないかもしれませんね。高千穂神社から遠回りをして青葉大橋を見に行ったあと、牛市場を発見。まさに場内でセリが開催されていました。高千穂牛って日本一の牛になったんですね。各地からトラックに牛を詰め込み、この日のために数百の牛が鎖につながれ、人間に引かれ、値段をつけられていきます。近づいただけであの厩舎のにおい、そして牛の悲痛な叫び。会場の中は見ることができませんでしたが、1分も経たないうちに牛に値段がつけられていました。まー地図にも載ってないんで観光客のきようがないんですが、折角だから牛料理が食べられるといいのにね。
 ここ高千穂にはつい最近まで、鉄道が街の動脈のひとつを担っていました。台風の影響による橋の崩落や線路土台の決壊などで、第三セクターが解散し、今では運転の再開の目途が立っていません。それでも比較的損傷の少ない高千穂~日之影温泉の区間は数十億円かけて再開させようと新しい会社を作って奮闘中です。なので動いていないながらも、高千穂の駅と列車は運転再開を待ちわびているかのようにいまでも変わらない姿を保ち続けています。高千穂駅の前には天岩戸を摸した公衆電話がありました。茶目っ気たっぷりですね。
 んで、ようやく昼食タイム。とはいっても昼食のあてがあるわけではなく、おまけにそもそも昼食をとれるような場所があまりありません。そんな中、道をあるいていたら、そば屋の看板を発見。あとで有名なそば屋だとわかりましたが、どう見ても民家にしか見えないそのいでたちは、客間に入っても払拭できません。なんかね、お寺のお経読む広間みたいな感じなんですよ。でも有名人っぽい色紙はいくつかありました。客が注文してから打ち始めるというこだわりようで、正真正銘の手作りです。天ぷら定食大盛りをたのんだら大盛り分が400円もしやがんの。まー美味しかったので文句はありませんが、日本の山奥にある美味しいそば屋とそう大きなさがあるとは思えないので、高千穂に来た時には食べたほうがいいかな程度です。
 午後はくしふる神社・天真名井・高千穂碑・高天原遥拝所・四皇子峰と神話史跡コースを散策。ここ高千穂には沢山の神話史跡があり、歩いて行ける地域のうちの一つでもあります。しかし、高千穂神社といい、くしふる神社といい鳥居が大きくどっしりとしていて非常に立派です。
 そして今回の最終目的地、天岩戸神社へと向かいます。バスの時間は調べていましたが、タイミングも良くなかったので、また無謀にもウォーキングスタート。しかし歩いて30分後に残り4kmの看板を見た時にはげんなりし、さらに15分ほど歩いて見つけるバス停の時刻表で、次のバスがくる時間がだんだんと迫ってきます。結局残り2.3kmあたりで心が折れ、バスに乗車すること10分弱、あっという間に天岩戸神社に到着しました。ここだけ意外と観光客が多いなーと思っていたら、テレビ番組で東国原知事がスピリチュアルな人と一緒にここに来たものが昨日放送されたらしく、自分としては落ち着いて見られなかったのでいい迷惑でした。天岩戸があったといわれる場所には行けませんが、東本宮の社務所にお願いすれば無料で、御神体としてまつられている天岩屋戸を見ることもできるそうです。今回は時間がないのでパス。
 ただ、天照皇大神を外に出すためにいろんな人たちがどうしようかと一緒に考えた半洞窟の天安河原は見ることができました。そこには気持ち悪いくらいに至る所で3~10段の石の積み上げものがありました。一瞬、地獄のメニューの一つにある、天まで積み上げなきゃいけない石のように見えてしまい、ゾッとしました。
 帰りのバスは面白くて、15人乗りのハイエースタイプ。普通のバスの大きさが乗り入れられない山間部と病院を走るためだそうです。バス会社の運営ではなくて、町営なんだそう。1台で乗りきれなくなることはそうそうないらしいですが、万一の場合は増便するんだそうです。運転手の方は、東国原効果は凄いと褒めちぎっていました。手段はどうであれ、知事が変わってから目に見えて観光客が増加しているらしく、これが長く続いてくれるといいんだけどなーと言っていました。普段はこの時間高校生が乗るみたいなんですが、いまは試験期間のようで、乗ってから降りるまで私一人だけという、ほぼタクシー状態ということもあり、自然に話が展開されていました。バスセンターに到着して、今日の行程は終了。
 連泊するとさすがに料理も変わるようで、今日は比較的肉中心の料理でした。不思議だったのはこの2日間通して豚が出て来なかったこと。全て牛と鶏でした。もちろん地鶏もいただきましたよ。
 明日も早いのに、この日記書くのに1時間半も費やしてしまった…W-ZERO3で、中途半端にキーボードが使えるのでついついだらだらと書いてしまいます。さて、もう寝て、明日こそ雲海を見るぞ。

今日の費用
自販機 午後の紅茶ホット 100円
昼食 神代庵 天ざる定食 1700円
バス 尾谷→岩戸 100円
自販機 ホットココア 120円
バス 岩戸→高千穂BC 300円
夜食 アイスほか 200円

計 2520円
(またもや宿代繰り越し。)
おみくじ、おまもり、おさいせん、少々。
by hidemite | 2007-11-22 00:05 | 秋の九州
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