【4日目】 宇和島→道後温泉
 当初の予定では、ここから各停を乗り継いでゆっくり旅をする予定でしたが、予定外のフリーパスの登場で特急にも乗ることが出来るようになったため、早めにホテルを出ることにしました。というのも、飛行機の予約を取った段階ではオマケの1日と考えていたので、昼には飛び立つ飛行機を予約し、松山周辺の寺は朝回ればいいかなという程度に思っていたのですが、後々よく調べたら朝ものすごく早くに出ないといけないことが判明。無理するかどうか悩んでいたのですが、きょうの行程を特急で見直すと、意外と今日中にまわりきれそうなことがわかりました。そのため宇和島城の見学はすっとばして、朝8時半の特急に乗車しました。

 そしておよそ20分で卯之町に到着。43番明石寺を目指します。この明石寺、卯之町の駅からの直線距離は近く見えるのですが、四国八十八か所霊場会のホームページを見ると、どうやらぐるっと遠回りしなければなりません。ざっと地図を見たときにおよそ山の中にあるように見えましたが、駅に到着してそれが現実になりました。しかしこの卯之町、特急の途中駅にしてはなかなかに栄えています。街の一角には江戸時代からの商家などがそのまま残っていて、なかなか風情のある街並みがあったり、愛媛県歴史文化博物館というとてつもなく大きい建物があったりするからかもしれません。宇和高校もあるということは、宇和島よりもむしろこちらのほうが昔は町として栄えていたのではと思ってしまいます。

 明石寺に向かうルートも、徒歩用のショートカットらしき道が案内されていました。昨日の悲しみは残しつつ、きょうは特に大きな池はないということは確認済みだったので、それほど心配せずに細い道に入っていきました。今回は多少、車の道よりも近かったのではと思います。再び車道と合流すると、そこからダラダラと長い坂が続きます。時刻は朝の9時半ですが、とにかくきょうは暑い。途中木陰があれば風も吹いて涼しいのですが、日当たり良好で遮るものが何もない道では、もう夏も半ばなんじゃないかという暑さに体が悲鳴をあげそうになります。

 きょうも団体のお遍路ツアーが先に来ていて、おそらくそのメンバーの分全員の納経が行われていたようで、なかなか自分のものをお願いするのに時間がかかってしまいました。とはいえ5分程度ではありますが、なんか、その大量の書のあとの私の出番だったので、気持ち流れ作業でやっているように見えてしまいました。いや、この人は書くのが早い人なんだと自分に言い聞かせて、寺をあとにします。

 当初は明石寺に到着するのが10時前で、往復する余裕しかないかなと思っていたのですが、まだ9時40分くらいだったので、時間に少し余裕ができました。そこでふと別の看板が目に入り「宇和文化の里こちら」の文字に惹かれ、別ルートから帰ることにしました。さきほど卯之町のことを書きましたが、まだ明石寺に来た段階では、そのどちらも訪れているわけではなくとりあえず寺を目指しただけですから、時間に余裕ができた今となっては、挑戦するに値します。なんとなく宇和文化の里と文化博物館の場所はわかっていたので、どちらに辿り着いても30分あれば帰れるとふんで、その道に入っていきました。

 どうやらこの道は登山ルートの別の場所のようで、結局山の中を通っていく羽目に。とはいえそこまでジメジメしていないし、今回は下山となるので気が楽です。ただ、この帰り道でまた失敗を冒してしまいました。山を下山して普通の道に戻ったら、左手に公園のような広場があり、宇和文化の里の薬草園と書いてありました。ということは、この先が文化の里なのかなと思いつつ、階段が見えたので、多少上るのかなと思っていたらまさかの先ほど下ってきたくらいの高さを再び階段で上っていく事態に。

 辿り着いたのは歴史文化博物館で、明石寺の行きのルートの時に、山のはるか高い頂のような場所に大きな文字で「愛媛県歴史文化博物館」と書かれていたのを見て、今回はあの博物館までは行けないなと思っていた場所。途中で何度も引き返そうと思いつつも、もう少しで着くかもしれないとズルズル上って行ったらこの有様です。文化博物館に行っても見る時間がないので、文化の里ぐらいにしておこうと思っていたのに結局来てしまい、挙句の果てにこの階段から来ると博物館の裏手に出るようで、まわりをぐるっと一周してしまいました。結局このロスタイムが響いて、文化の里はちらっと見るにとどまり、無料休憩所に入ることはできませんでした。

 いろいろと犠牲にして卯之町から予定時刻の特急に乗車。そして、次のテーマは「愛ある伊予灘線」を通過することです。宇和島から松山までは予讃線と、途中で内子線を使ってショートカットするルートもあって、特急はすべて内子線を経由します。一方で予讃線は一部区間海沿いを走る。そうです、山の中の変わらない景色よりも、海の傍を走って青い世界を見ることを私は選んだのです。しかし、この愛ある伊予灘線のルートは、これまた需要の低下で本数が少ない。乗り継ぎも当然スムースには行きません。

 そこでそれを逆手にとって、この待つタイミングで昼食を済ませようと考えました。きのうまで満足に昼食を取れていないため、きょうこそはと。八幡浜と伊予大津のどちらで降りたほうが効率的に昼食を取れるか調べたところ、八幡浜に「いわゆる駅ナカがありまっせ」という記事を発見。これに従って八幡浜で降ります。駅ナカというくらいだから、多少は凝っているのかなと思いきや・・・暖簾に駅ナカと書いているだけで、風貌は普通の駅に併設している食堂と何ら変わりありません。とはいえここで昼食をとることは決めましたから、その駅ナカ食堂に入っていきます。おすすめはちゃんぽんだそうで、まあ特別なちゃんぽんかといわれると返答に困りますが、美味しく食べられるちゃんぽんでした。

 そして普通列車に乗り込み、愛ある伊予灘線を通ります。もともと内陸で分岐しているので、しばらくは同じ山の景色ですがある瞬間、一気に左側の視界が青くなり海一色となります。遠くまで見通せる海は、いつみても気持ちがいいものです。そんな楽しい時間は20分ほどしかありませんが、苦労して選んだ甲斐がありました。

 そんなこんなで松山駅には14時前に到着。この時間なら当初予定していた52番太山寺と53番円明寺も回れそうです。しかし、この2つの寺は2~3キロしか離れていませんが、松山からはここに行く手段をさすがに徒歩にはできない距離があります。53番円明寺のほうは、伊予和気という駅からすぐですが、よくよく調べるとこの伊予和気に停まる普通列車が全然ありません。30分待てばこの電車が来るということで、しばらく待ってJRに乗りました。そして本当に円明寺は駅からスグ。一方で太山寺は結構な徒歩の距離です。この旅最後のお寺さんは、またもや名前の通りの山の中。慣れっことはいえ、最後の最後まで試練を与えてきます。

 そして本当の最後の試練はその太山寺からの帰り道にありました。もともと先に太山寺に行かなかったのは、予讃線の電車が伊予和気に何時に来るのか考えたくなかったからです。一方で海側は伊予電鉄が日中15分間隔で走っているので、太山寺近くのバスに乗り遅れても、最悪海岸目指せばなんとか電車にありつけると思っていました。残念なことにやはりバスはすでに数分前に出発。一つは50分後くらい、もう一つも20分以上こなさそうなので、一気に徒歩で気力を振り絞りました。案の定、この50分後くらいだったバスは同じ到着駅を目指していましたが、駅の数百メートル手前で抜かされてしまいました。待っていたほうが良かったのか・・・

 きょうの宿は道後温泉の道後館。道後温泉に来るたびにこのでかい建物に泊まってみたいなぁと思っていたのですが、今回平日ということもあってか1人旅応援プランがあって一人でも泊まれることが判明。1日目の夜になんとか忘れずに予約した宿で、やはり雰囲気は高級旅館。夕食はつかないプランだったので、適当な居酒屋で海の幸を少し食べました。大阪から来た夫婦がいて、韓国から来ていた旅行者もいて、いろんな人がいた小さな居酒屋でしたが、大阪のおばちゃんが、日本語のたどたどしい韓国人に対して「これが大阪のおばちゃんやで。よう覚えとき」とおおらかに話していて、ちょっとだけ心配になったのはここだけの話。

 道後館の温泉はやはり大型の高級旅館だけあって物凄い広いです。軽いスーパー銭湯並みと設備も充実。マッサージ機もありました。ちょっと露天風呂が狭く感じたのと、塩素のにおいがわずかにしたのは、この規模の旅館なら仕方のないことなのかもしれません。

 長かった旅もようやく終わり、いま納経帳を見返したら、ようやく44か所まわりました。3回でちょうど半分。少なくとももう3回四国に来なければ88か所回れないのか・・・お遍路が旅のメインではないので、どうしてもこうなってしまいますかね。まあ何年後かに来た時には、あまり無理せずに続けていこうと思います。結構年食った人もたくさんお遍路しているし、一生かけて納経帳が埋まればいいかな。

 さて、明日はお土産買って午後には東京に帰ってくるくらい何もやることはありません。最後の日くらいゆっくり風呂に入ってチェックアウトしようかな。
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by hidemite | 2015-05-20 22:25 | 徳島から道後温泉
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