【3日目】 高知→宇和島
 昨日の祈りが通じたのか、朝起きたら雨は止んでいました。まだ山のほうは雲がかかっていてこれから山に向かうわけですから、まだ油断はできません。とはいえ、今日こそは念願の昼ご飯タイムを手に入れるべく、昨日の夜に様々な案を考えました。そのせいでちょっと寝不足です。というか、昨日の夕食でもまた酒が進んでしまい、部屋に戻って横になっていたら3時間ほど寝てしまい、風呂が閉じる30分前に奇跡的に起きるという形だったので、みすみす3時間分を無駄にしてしまったわけです。

 きょうは10時前の特急に乗ることを決めていたので、昨日より30分ほどゆっくりできます。7時半過ぎに起きて8時前に朝食会場に到着し、和洋折衷のバイキング。バイキングとなるとどうしても沢山取ってしまう性格をぐっとこらえて適量を心掛けて食材を選びます。豚しゃぶサラダという珍しいものもありましたが、サラダの量は申し訳程度で、隣のサラダバイキングからも拝借。それでも豚を取りすぎてしまったようで、あまりサラダ感がなかった自分の盛り付けに後悔したことと、思いのほかソーセージが残念だったことを除けば、非常に楽しく美味しいバイキングでした。やはり高いところはそれなりだし、充実していれば客もあつまる。その対価はおよそ2万円ちょっとなわけですが、特に高知の夜の街を出歩きたいと思わなければ、この選択肢はアリだと思いました。風呂にこだわりがある人限定ではありますが。

 ところで、朝の風呂は男性と女性が入れ替わります。夜女性が入れる風呂場はちょうど大通り側で、男声は裏通りなので、女性側はがっちりガードされているうえに、露天も少し小さ目。きっと朝入った女性は皆「露天はこっちのほうが良いよね」ということでしょう。夜間に合って本当に良かったと思いました。風呂上がりのひと時を楽しんでゆったり準備して、テレビで真矢みきもビリギャルだったとどうでもいい話をかいつまんで聞いていたら9時を過ぎ、結構いい時間になってしまい、慌てて宿を後にしました。

 宿の目の前は路面電車の停留所で、途中1回の乗り換えがあるものの、そこそこスムースに高知駅まで辿り着きました。しかし、路面電車の生活が染みついているのか、車を運転する人は皆プロ級の腕前で、自分の車が電車と接触しない距離はいかほどなのかを周知していて、皆ギリギリのポジション取りをしています。電車の運転士さんも警笛を鳴らして速度を落として走るのですが、こちらも慣れたものなのでしょうね。

 昨日のうちに切符はすでに購入していたので、そのまま改札を通って特急列車へ。宇和島までで1回、高知までで1回それぞれ途中下車したいとみどりの窓口で相談したら、四万十・宇和海フリー切符の存在を教えてくれました。およそ5千円で、高知から松山までに加えて、窪川から宇和島までと、くろしお鉄道らへんが乗り降りし放題という切符です。特急の自由席にも乗り放題で、有効期間は4日間もあります。もう1泊してもいいくらいの切符ですが、時間の関係と、既に四万十川は行ったことがあるので今回は贅沢に2日間で使い切ります。

 特急では特に何もすることがないので、とりあえず寝て体力を温存します。とはいえ寝過ごしてはいけないので微妙なところですが、そこは目覚ましで回避。そして1時間ほどで窪川に到着します。この窪川から宇和島方面への列車はなんと1日に8本。しかも、10時のあとは13時と3時間も開いている上に、特急電車との乗り継ぎもそれほど考慮されていないため、かなり不遇な人生を歩んでいる路線です。

 そこで昨日考えたのは、この窪川の乗り換え時間を逆転の発想で多めにとって、昼飯を食べちゃおうという作戦。窪川駅の近くで食事ができる場所はないか探しましたが、ネットでは決め手がみつからず、唯一の可能性があるのが道の駅あぐり窪川。窪川と名前がついているものの、鉄道の駅でいえばその1つ前の駅のほうが近そうな場所にあり、窪川からは徒歩30分というギリギリ許せる時間です。窪川の到着が11時で、次に乗る列車が13時20分なので、まる2時間はあります。30分歩いて1時間以内にメシを食えば完全な勝利です。

 しかしなんと!道の駅に着いたら、食堂がまさかの満席!これは完全に想定外でした。土産物も、いま買って荷物になるのも嫌なので結局骨折り損の徒歩。まあ、駅前に適当な食堂があるからそこで食べることを決め、来た道をそのまま淋しく戻りました。こういう時って、どっと疲れが出ます。

 窪川駅近くで「そうだ、来るとき駅の反対側の道もあったから、そっち側も見てみよう」と進路を少し変更。とはいえ大きな自由通路があるため、駅の入り口の反対側の道路でも5分あれば駅舎にたどり着けます。あとで気が付いたのですが、ちょうど窪川駅の線路を挟むようにして、四万十川市の庁舎が東西に建ち、その3階が連絡通路で結ばれている形なんですね。これは頭いいことを考えたもんだと感心しました。

 で、駅の反対側にあったのが地元の人が野菜を陳列したりするスーパー。Aコープの商品が置いてあったのでその系統でしょうか。そこに冷たいうどんでもあればと思っていたら、うどんはないものの、そうめんを発見。そういえば先ほどの道の駅近辺でもそうめんが置いてあったと思い出し、このあたりはそうめんなんだと自分の心に言い聞かせてそうめんパックを購入。あとはカツの太巻き。450円なり。結局は弁当になってしまいましたが、昼ご飯を食べられた達成感でそんなことは全部吹っ飛んでしまいました。これで午後の徒歩も気合いがはいります。

 ご飯を食べてもゆうゆうと出発時刻に間に合い、宇和島方面のホームに向かいます。と、そこには海洋堂ホビートレインという企画列車が存在していました。不思議なラッピングに加え、車内には海洋堂のフィギュアが置いてあります。ほぼアニメものですが、恐竜などもありました。ちゃんと確認していないのですが、おそらくプァン!と鳴るあのフォンの音も、恐竜の鳴き声にしているような気がしました。出発の時に鳴らしてくれます。ただ残念なのは、そこに乗ってくる乗客のほとんどが、このホビーに関心がなさそう。かくいう私もそこまでではないので、出発前に一度見て写真撮ってあとは・・・という感じ。平日だからかもしれませんが。

 およそ2時間後に伊予宮野下に到着。ここから徒歩で41番龍光寺、さらに徒歩で42番仏木寺を目指します。夕方はほぼ1時間間隔で列車があるので、ギリギリで逃すとガッカリしますがなんとか宿には辿り着ける環境ではあります。目標は17時59分の列車なので、残された時間はおよそ2時間半。下調べの段階で、仏木寺まではおよそ徒歩1時間とグーグル先生に聞いているので、おそらく間違いはないだろうと思います。

 龍光寺までの道のりは比較的簡単、というか、ほとんど田んぼなので遠くにお寺が見えるため位置関係を考えればそこが龍光寺だということはすぐわかりました。この龍光寺、ちょっと不思議なのは階段をまっすぐ上がっていって見えるものが神社であるということ。その神社までの階段の中腹に、左に本堂、右に太子堂がある形になっています。ほんと、それぞれのお寺の特徴が大きく違いますよね。

 納経を頼んだ時に、お寺の方に「スタンプ押しますか?」と聞かれました。なんでもことし1200年の記念の年なので、オリジナルスタンプも押しているそうなのですが、必要なければ断ってもいいと言うのです。私は折角なので「大丈夫です。押してください」と言いましたが、そもそもなんでこんな質問をしたのだろうと考えていた時に「前のが押されていなかったから要らないのかと思っていました」と言われて気づきました。40番までの寺は、数年前に回った寺だったのです。そこには確かにスタンプは押されていません。まあ、時代も感じられますから、いろんな形で納経帳には残しておきたいと思います。

 そして、ここから42番仏木寺を目指します。たまには遍路道を歩こうかと思ったことが、今回の旅の難所を経験することになろうとはその時は全く思っていませんでしたが、散々な目にあってしまいました。グーグルマップで調べた時には、県道の幹線道路をそのまままっすぐ行けば仏木寺に到着するのですが、どうやら遍路道はそちらではなく、仏木寺から直接北西を目指す形となっています。

 まずは、方角を示す看板の下に「車は通れません」の追加の看板。歩いて納得、急に民家の間のような場所を入ったかと思うと、ひと一人分の幅しかない野草が生い茂る道を永遠と歩き始めます。途中で大きな池を発見し、その池の周囲を歩くようになっていますが、この先どこかで通行止めになっているんじゃないかと何度も思う暗くてじめじめした道と、何度も引っかかった蜘蛛の糸で、本当にここが遍路道なのかと不安で一杯になり引き返そうかと思うと「四国の道」という頼りない看板が見えるので、それだけを信じて歩くこと30分。ようやく森の中を抜け出すことが出来ました。

それでもまだ残り3キロ。なんかショートカットすらできていないんじゃないかと思いつつ、さらに最後の難関、示している方向に道がないパターンの看板を発見。ここはもう勘しかありません。幸い高速道路沿いの北方向というのはわかっていたので、そこからつかず離れず、なるべく無駄足にならないような雰囲気のある道を見つけます。そしたら途中からバス停の看板が出てくるような道に出会い、大きな希望を持ち始めたその時、それっぽい建物を遠くに発見。無事5時ちょっと前に辿り着くことが出来ました。

 行きは伊予宮野下という駅から降りてきたのですが、龍光寺の案内板ではその1個先の務田の駅からの案内でした。もしやそっちの駅のほうが近かったのかと思い、帰りは県道を一直線に戻れば務田駅に戻れるので、そちらの駅を目指します、が、一向に駅は見えてこない。道の駅までの距離の看板は出てくるものの、鉄道の駅までの看板の表示は一切ありません。結構長い間辿り着いても光が見えてこないので、乾いたのどを潤すために道の駅に突入。せっかくなのでゆずソーダとよもぎもちを購入しました。ゆずソーダは果汁1%と書いてあったので馬鹿にしていましたが、1%でもちゃんと香りも味もします。むしろちょうどいい感じ。よもぎもちは正直今まで食ったよもぎもちの中でもトップを争うもちでした。

 列車の発車時刻まであと少し、希望を持って合っているであろう駅の方角を歩いて5分、ようやく駅の姿をとらえました。所謂簡易駅ですから、これでは確かに案内看板がないこともうなずけます。この距離ならあと5分かな、と思ったその時、急に駅の横にある踏切の警報機が鳴りだしました。これは間に合わないかもと、きょうイチの走りで駅まで走りましたが、逆方向の列車でした・・・俺の汗を返して!まあ目標の列車に乗れたのでよしとします。

 きょうの宿泊はホテルコーラル宇和島。ビジネスホテルは結構ありますが、大浴場がほとんどなく、ホテルコーラル宇和島は海の見える展望浴場がウリだったので、ここに決めました。ただ、駅から結構距離はありました。気軽に歩いて行ける距離ではありません。とはいえ、夕食は近くにかどやという店がありましたし、9時までならドラッグストアも開いているので、飲み物も安く購入できます。風呂はまあ、このレベルのホテルとしては上出来というところでしょうか。夜だと海も見えないので、明日の朝確認しようと思います。
[PR]
by hidemite | 2015-05-19 23:24 | 徳島から道後温泉
<< 【4日目】 宇和島→道後温泉 【2日目】 徳島→高知 >>