【2日目】 徳島→高知
 お酒を飲んで寝てしまったこともあり、翌日の準備をしていたら時計の針が0時を過ぎ、さらに最終日の道後温泉の宿を予約しなければならなかったので、一通り悩んでいたら結局寝る時間が1時頃になってしまった。とはいえこうした旅をしていると、朝は意外と早く起きられるもので、7時に起きてバッチリ朝食と朝風呂を済ませることができました。それにしても従業員が少ない。立地が悪くないだけに、本当に少しずつ残念な点が見つかる宿でした。

きょうは昨日と比べてまわるお寺の数が少ないので、時間に余裕があります。とはいえ、前回高知を旅したときに、西側の端の足摺岬をナメてかかって宿に着く時間を大幅にオーバーしてしまうという大失態をおかしてしまったため、油断は禁物。9時に宿を出発しました。

 一つ目のお寺は23番薬王寺。これはホテルから車で数分の場所にあるので、幸先のいいスタートを切ることができます。とはいえ本堂は結構階段を上らないと辿り着けません。車や電車で来ていればああ階段かと思う程度だけど、徒歩でちゃんとお遍路をしている人にとっては、山を越えて海沿いを歩き、数時間ぶりにようやく辿り着いたとおもったら最後に階段という最大の難関があるわけで、結構しんどいよなぁと思う。まあ、金比羅山に比べれば幾分ましかもしれませんが。

本堂からさらに階段を上がると、瑜祇塔という綺麗な建物があります。ここでは大日如来と、薬師如来を見ることができ、薬師如来を見るためには100円払わないといけないけど、ほかの資料としていろいろな掛け軸を見ることができます。印象的だったは、平等王や閻魔王などの10の王の掛け軸。そこには鬼と各世界にきた業の深い人間がどのような仕打ちを受けているかが示されていました。地獄絵図のようなものかな。この世界のことは全然知らないのでよくわかりませんが、ほとんどの絵の中で、火あぶりや舌を抜かれている人がいました。もうひとつ九想巻という絵巻物の模写が展示されていましたが、綺麗な女性が老いて死んで腐って骨になって最後は灯篭になるというひとつのストーリーが1本の巻物になっていました。よくよく見ると、この時代の絵って残酷なものは結構残酷ですね。現代の人が書いたらアウトじゃないでしょうか。

 そこから次の24番最御崎寺までは、延々と海岸沿いの国道を南に向かっていきます。この国道、交差点が非常に少ない一本道なので、信号が全然ありません。一方で一車線の上に追い抜き部分も殆どないため、トラックなどに捕まると急にスピードダウンします。そんなに飛ばしているわけではありませんが、目の前がトラックになると、景色の雄大さが一気にスケールダウンしてしまうので折角のドライブも気持ちガッカリします。

そうこうしているうちに、先に室戸岬に到着。確かお寺もこの辺り・・・と室戸岬の無人案内所に入ると、どうやらもう少し先まで走って、分岐する山道に入るようです。とりあえず室戸岬を見学。このあたりは結構ごつごつとした岩場で、波も荒いため押し寄せる波が岩場に当たり水飛沫がはじけ飛びます。さながら東映(?)のオープニングのようでした。しかし、ここでバーベキューをやって片づけない人も多いようです。結構ゴミが散らかっていました。しかも一見見える場所ではなく、岩場と岩場の隙間の場所。マナーの悪さはどの県でもあまり変わらないようです。

 そこから車を少し走らせて24番最御崎寺に到着。この寺の名前は「ほつみさきじ」と読むそうです。そういえば最の字ってほつとよむことがあったような気がすると思いながらも、最初はそう読むなんで思いませんでした。ちなみにこの寺では鐘つきの鐘とは別に鐘楼堂という、外からは鐘突き棒しか見えない特殊な建物があります。この建物は1468年に土佐藩二代目藩主の山内忠義が寄進したもので、昭和59年に新しいものが作られるまで現役で活躍していたようです。ちなみにNHKの除夜の鐘突きも何度かあったらしく、放送記念碑が建っていました。

 この本堂とは真逆の海側にちょっと進むと、室戸岬の灯台を間近に見ることができます。この灯台の特徴は日本一の一等レンズを使っていることが特徴だそうで、確かに物凄い大きい。光の届く範囲はおよそ49キロ先だそうですが、49キロ先でも見える世界は想像がつきませんね・・・さらにここはどうやら恋人の聖地なんだそうです。どうして灯台ってそういうものに選ばれやすいのでしょうね。一人で来た私はどういう顔でこの看板を見ればいいのでしょうか。

 続いて25番津照寺、26番金剛頂寺とお参り。金剛頂寺は寺の駐車場まではかなりの山道。おなじみすれ違う余裕のない道です。昨日から引き続き、結構な人達がお遍路めぐりをしているようで、車も多数停まっていますが、思ったよりすれ違いません。タイミングがいいのかどうか・・・とはいえ気を抜いていると出合い頭にガツンとぶつかってしまうので、運転には細心の注意をはらいます。この津照寺と金剛頂寺も、どちらも本堂までは長い階段を上らなければなりません。特に津照寺は角度が急で、確実に体力を奪っていきます。一方の金剛頂寺は、ちょうど61段で、厄年の数と一緒ということもあり「厄坂」と名前がついています。しかしこの厄坂、上から19段目に「女坂 19歳」、33段目に「女坂 33歳」と書いてあるにもかかわらず「男坂 42歳」の場所はどう数えても41段目になっています。これは男性と女性で数え方は違うのでしょうか。厄年61歳は61段なので、ますます謎です。今度調べてみよう。

 やはり山道を走ると時間はあっという間に経ってしまうもので、残すところあと1つとなったものの昼食をどうしようか悩みます。きのうはお寺をまわることに精一杯で、昼は途中の寺でいただいた施しのちくわだけでしたが、きょうはさすがにお昼を食べたい!と思っていたら国道沿いに道の駅「キラメッセ室戸」を見つけました。ここでささっと食べるかと駐車場に入るも、なんだか様子が変です。車が停まっていないのはこの時間帯だからかなと思うも、人の姿がほとんど見えません。建物に近づくと・・・なんと開いていない。月曜は定休日なんでしょうか。思わず力が抜けてしまいました。もう少し進んで奈半利に入るとローソンがあったので、速攻入っておにぎりとLチキを購入。そういや四国に来てまだうどん食ってないな・・・

 今日最後の27番神峯寺も、困難な山道の上にあるタイプでしたが、その困難さはこれまでよりもさらに険しい。道のほとんどが先を見通せません。カーブミラーはありますが、常に警笛鳴らせの看板が立っていました。この神峯寺は、階段の脇が庭園のように綺麗に刈り込まれ、その先に大きな杉の木があるというほかの寺にはない独特の雰囲気がありました。

 そうこうしているうちに、時間は4時前。まだ高知までは遠い場所ですから、急いで寺をあとにします。このタイミングで雨が降り始めました。なんとか行程中降らなくて良かったです。途中でちょっとした渋滞にはまり、まさか高知までこの渋滞が続くのかと不安になりましたが、途中から無料の高速道があって途中までショートカットすることができました。半分くらいナビに載っていなかったので、最近できた道なのかもしれません。

 きょうの宿は城西館という高級旅館。高知に来てまで高級旅館かと少し悩みましたが、この旅の宿を決めている段階で、初日はどちらに転ぶかわからないホテル、3日目の宇和島はビジネスホテル風の宿だったので、4日目の道後温泉で1人宿泊用のそこそこいい旅館に泊まれなければ全滅になってしまうことから、無理してこの旅館を選びました。とはいえ、ここを選んで良かったと思える気持ちのいい宿に当たりました。

 サービスは細かい指摘はあるものの、高級旅館らしく部屋に入った時のお茶は淹れてくれますし、おそらく平日の宿泊とだけあって1人の宿泊でも広くて悲しくなるくらいの10畳+ちょっとした洋間と豪華な部屋に案内されました。この雨で街中出歩いてご飯食べてビジネスホテルに戻るよりも、旅館のなかで完結したほうが結果として良かった気がします。お値段はそれなりに張りますが。

 夕食はプランによっては部屋出しもあるようですが、私は1人ということもあって、館内の小料理屋に案内されました。席はなんとカウンター。一気に贅沢感がアップしました。途中、カツオのたたきを塩で食べる場面に遭遇し、高知はこうやって食べるんだよなと美味しくいただいていましたが、料理人の方と話をしていると、なんときょうのカツオは中の下ですとハッキリ言われてしまいました。これでも十分美味しかったのに・・・もっと上のランクはどういう味がするのでしょうか。ちなみに6月と7月はいちばんカツオが美味しくない時期だそうです。

 私が夕食を開始した時間が遅かったので、途中から1人カウンターに残される形となりましたが、その分料理人の皆さんとお話できて楽しい時間を過ごせました。自分から話しかけるのは苦手ですが、話しかけられると思わずしゃべってしまい、会話が弾みました。なんでもウツボが美味しいという話。ただ、ウツボは鱧よりも骨が堅いので、調理は結構大変だったり、その特殊性から普段からおいておらず、予約のあった場合のみ買いに行くという形だったりするそうで、気軽に「ウツボください」とは言えないんだとか。あと、NHKの龍馬伝をやっていた時期は平日含め毎日予約で一杯だったそうですが、2年後には普段と同じに戻ったのだそうで。ホントブームって一過性のものですよね・・・

そのほか、金剛頂寺と最御崎寺は仲がよろしくないとか、お寺のウラ話もしていただきました。ただ、その時印象に残った言葉は「まあでも、儲かっているお寺さんはは88か所だけですから」。確かにこの四国には、御遍路の88か所以外にも多くのお寺があります。そんなお寺にお金を落としていく観光客はほとんどいないでしょう。別格というお寺も20あって、昔四国に来た時はそこに入りましたが、確かにきょうは私も途中にある別格はいいやと飛ばしてしまいました。きのう寺によってもお金が集まっていそうな寺とそうでなさそうな寺を見ましたが、そうでなさそうなほうの寺も、きっとほかに比べたら十分いいのでしょうね。四国のお寺の世界は奥が深そうです。

 さて明日は宇和島を目指します。レンタカーはきょうまでで、明日からは鉄道で移動するため、久々の徒歩です。この雨が夜中にやんでくれることを願いつつ、寝ることにします。
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by hidemite | 2015-05-18 23:50 | 徳島から道後温泉
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