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【再九州】 11月9日(水) 指宿→枕崎→博多
 朝起きると真っ白な曇り空が。旅2日目にして早くも悪天候の予感と、私の旅運のなさが明るみになり、こころは一層暗くなります。とはいえ、よほどのことがないかぎり、サッカー並の勢いで旅は決行します。あとは小雨を祈るばかり。

 宿からは最寄駅まで送迎していただきました。実はこらんの湯は、最寄駅が宮ヶ浜という駅で、鹿児島から向かって指宿の2つ手前になるますが、指宿まで送ってくれるという粋なサービスはありません。まあ、送ってくれるだけいいんでしょうね。

 今日は一旦枕崎へ向かいますが、当初の計画の時点で枕崎の滞在時間は20分。というのも、枕崎までいく列車は1日数本と恐ろしいほどに少なく、午前中に適当な列車がありません。ですので、昼過ぎの枕崎行きに乗って、その折り返す列車に乗らないと、博多につく時間が夜になってしまいます。まあ、博多まで無理して行かなくてもよかったんですが、熊本は去年行ったばかりなので、適当な中継地が見つからなかった、というのがあります。博多に温泉ないだろ、というご指摘もあるかもしれませんが、そこはドーミーインというビジネスホテルが解決してくれますので、問題ありません。

 枕崎の列車は昼過ぎ、でも宮ヶ浜には10時前の列車に乗ります。その列車で指宿のひとつさきの終点でJR最南端の有人駅、山川駅まで行きます。沖縄にゆいレールが出来てから、鉄道が沖縄にもできてしまったので、九州の「最南端」と称する駅はすべて「JR最南端」と注釈がついてしまいました。そのもうひとつの被害者が、最南端の駅、西大山です。私が10年前に訪れた際には最南端の駅でしたが、これが、JR最南端になってしまっていました。

 その10年前も山川で降りて、なんで枕崎行きの列車がないんだろう、と首を傾げた記憶があります。この時とった行動は「一駅、もう一駅歩いて行こう」。無謀にもそんな行動に出てしまったのです。ですから、今回も同様に途中まで歩いていこうと決めました。幸にも西大山駅が2つ先なので、およそ2時間弱あればここまではいけるだろうと。だが、しかしその選択が誤りだったなんて、この時は知る由もなかったのです。

 山川駅を下車すると程なく、ポツポツと雨が降ってきました。折り畳み傘を持ってはいますが、開いたあと閉じるのが面倒ということで、暫くは様子を見ることに。そこそこ降り始めたころにホームセンターのコメリが見えたので、本降りになるならと、ビニール傘を購入しました。途中コンビニにも寄って、飲料も補給し準備万端、歩き続けます。それにしてもコンビニが増えたような気がするのは、気のせいでしょうか。

 あと、国道を歩いていて一つ気になった場所を発見。ブラウン管の墓場がありました。14インチの赤いテレビや、30インチ近いワイドテレビまで、何百個ものブラウン管が時に整然に、時にぐちゃぐちゃに、時にピラミッドのように積まれています。野ざらしの状態なので、リサイクルにはならないでしょうが、何か気になる置き方なんですよね。

 さて、いろいろと巡ってきましたが、2時間のビハインドを貰ったにもかかわらあず、時計を見ると目的地までの猶予は既に15分になっていました。とはいえ、一向に西大山の駅は見えて来ません。これ、もしかしたらヤバイんじゃないか?列車に乗れないのではという危機感があたまをよぎり、小走りになります。しかしそれでも駅は見えてこない。そして時間は10分を切る。これは全力疾走しかありません。と、その時!左前方に駅が!とはいえ500メートルは先に見える。

 そう思うや否や、踏み切りの警報機が鳴りはじめました。もう一刻の猶予もありません。警報機のカンカンカンという音が、まるで「あきらめたら、そこで試合終了だよ」と安西先生が語るかのように叫んでいます。こうなったら一か八か、ビニール傘を閉じての全力疾走に切り替えます。列車の音が聞こえる中、傘もささずに走っている人が見えれば、運転士も情状酌量を持ち出してくれるかもしれませんから、間に合わなかった時の保険としてとにかく走る。

 で、結局列車の到着と同時に滑り込みセーフ。息を切らしながら、ただひとり新しく乗車します。この列車に乗れなかったら枕崎に行くことが出来なかったので、全ての計画が狂うところでした。やはり列車の本数が少ない場所は、レンタカーを借りるほうが得策ですね。

 そして無事枕崎に到着。ここで気がついたのは、バスのほうが早く鹿児島中央に帰ることができるということ。列車は遠回りをしているんですね。とはいえ、今日の分から既に切符を買ってしまっているので、旅路を変更することはできません。

 それにしても、枕崎の駅はずいぶん変わってしまいました。なんでも平成18年に駅舎が取り壊され、その場所にドラッグストアが出来たのだとか。駅前は綺麗に整備されているものの、そのドラッグストアの奥にある枕崎駅は、昔の面影が何もありません。鉄道って、非常に肩身が狭いんですね。バスより本数少ないんだから当然か。唯一残っていたのは、日本最南端の終着駅と書かれた灯台のモニュメントだけでした。

 さて、ゆっくり見ている暇はありません。何しろ折り返し列車が発車するまでもう15分も切っています。枕崎駅での指令は、昼食を買えということで、早速目の前の大型スーパーに入り、惣菜コーナーを目指しますが・・・さすがに駅弁のようなものはありませんでした。枕崎の名産は鰹ということで、鰹に関連する商品をひとつでもいいから買うことに。で、ただひとつ「鰹の腹皮の竜田揚げ」を発見。あとはおにぎり2つとお茶を購入。

 で、無事帰りの列車にも乗ることができ、ゆったりと昼食を取りながら鹿児島中央を目指します。竜田揚げが美味しくて驚きました。東京では見たことないなぁ。ちなみに、1組の老夫婦が、行って帰ってくるパターンでした。行きの列車で旦那のほうが写真を撮りまくったりしていたので、我が儘言ったんだろうなあ。そういうのに文句言わずついていく奥様、素敵です。

 乗り継ぐ時間もギリギリで、そのまま新幹線に乗車。写真を撮る余裕すらありませんでした。よく考えたら、九州新幹線乗るの初めてだったんですよね。で、終着駅は博多ですから、博多は山陽新幹線で何度か乗ったことがあるので、それほど珍しくはない。だから本当は、鹿児島中央駅でもう少しゆったりするべきだったんですが、既に疲労はピークに達していたので、考える余裕もありませんでした。

 そして博多に到着。今回の宿はキャナルシティ近くの「ドーミーイン 博多キャナルシティ」ですが、ドーミーイングループのいいところは、必ず温泉が完備されていること。もちろん源泉ではなくどこからか持ってきたものだとは思いますが、都市部では温泉に入ることができないため、ドーミーインの存在は、自分にとってかなり大きいです。しかもこの博多は今年できたばかりなので、設備も新しい。製氷機があるのも、細かい気配りです。

 ビジネスホテルのため、夕食つきプランはありません。ので、中洲の飲み屋でモツ鍋を中心に愉しみました。餃子もうまかったなぁ。ただ、本当はラーメン屋台でシメを、と思っていたのですが、モツ鍋で調子に乗って雑炊を頼んだら、あっという間にお腹が一杯になってしまいました。ラーメンは明日におあずけ。

 で、苦しみの中ホテルに帰ると、酒の勢いもあって爆睡。で、さきほど風呂に入ってきて、今に至ります。まあ、きょうは忙しい一日でしたが、明日は多少ゆったりできるはずです。
by hidemite | 2011-11-10 02:23 | 日常
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