まあ、最初の頃はチームの差があまり大きくないので、接戦だということもよくあることですが。昨日は日本人ドライバーの小林可夢偉が、ミハエル・シューマッハを3回も抜くなど、オーバーテイク満載の決勝戦だった。まあ、シューマッハは40代なので、最盛期と比べれば勘も落ちているだろうし、実力も落ちているだろうし、チームの開発力だって、フェラーリには及ばない。とはいえ、百戦錬磨の相手に、2年目のドライバーが果敢に攻めて、追い抜いていくというシーンは、非常に見ごたえがある。
如何にこれまでブリヂストンタイヤがF1のタイヤの頂点を極めていたかがわかったのだが、久しぶりに参戦したピレリタイヤは、タイヤの持ちが悪く、ピットストップが2回で終わらない場面もしばしばありそうだ。まさに昨日はそのような展開で、皆が3回以上のピットストップを重ねるのに対し、小林は2回で済ませ、持ち前のタイヤマネージメントを発揮し8位に滑り込んだ。しかもハミルトンのペナルティにより7位に繰り上がるというオマケつきだ。
今シーズンからKERSが本格的に動き始め、また、新しくDRSという、リアウイングを動かしてスピードを増す仕組みも導入された。しかも、DRSは前にいる車を追い抜こうとしている場合にしか使えない。フジテレビは追うDRSに逃げるKERSと呼んでいたが、DRSの威力はものすごく、リアウイングを開くとこれほどまでに加速するのか、と非常に驚いてしまう。
一度差がついてしまうと圧勝、というレース展開は大きく変わることはないが、特に中盤に関しては、めまぐるしく順位が変わっていく。その渦中には、プライベーターとして、開発力が決して大きくない、小林可夢偉率いるザウバーというチームがある。
抜きつ抜かれつの展開。
これこそがモータースポーツの楽しみなんだと再確認した今日この頃。