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【回想記007】 新山口~湯田温泉~地福
【回想記007】 新山口~湯田温泉~地福_b0000480_0422311.jpg 10時31分、ほぼ満席の車内に乗り込むと、今まで見た事のない空間が目の前に広がる。5両の客車とそれを牽引する機関車。機関車はC571という、C55形の蒸気機関車201両の中のひとつだそうだ。客車は、赤い部屋が印象的な展望車風客車、青で埋め尽くされてステンドグラスが煌めく欧風客車、ちょっと懐かしい匂いのする昭和風客車、ドラマでよく見かける雰囲気漂う大正風客車、更に昔の時代を髣髴とさせる明治風客車と、それぞれに個性がある。
【回想記007】 新山口~湯田温泉~地福_b0000480_037449.jpg 勢い良く汽笛を鳴らし、ギシギシと金属の動き出す音がする。最後部の車両にいる私の車両は、暫くしてから、連結部分の軋む音がし、そして列車はゆっくりと進んでいく。徐々に列車は速度を上げていき、機関車は黒煙を巻き上げていく。だんだんと街から遠ざかり、緑と青以外の景色がどんどん消え、山の間をぬっていく汽車は、そこに灰色という新しい色を加えるのだ。
【回想記007】 新山口~湯田温泉~地福_b0000480_037336.jpg 左上最初にある写真は、湯田温泉という駅で、山口大学の最寄駅だそうな。その右下にあるのは湯田温泉を出た後の、緑が多くなり始めてからの景色。この列車の最後部には、展望部分があるため、私はこの汽車の9割の時間をこの展望部分で過ごした。まだ9月ということもあり、外の風が心地よい。端からすこし顔を出してみると、顔に水滴があたりだした。今日の天気予報はかなり微妙な具合だったので、私の運もここまでかと思ったのだが、その水滴の正体は機関車から出る蒸気だったのである。
【回想記007】 新山口~湯田温泉~地福_b0000480_0381531.jpg ん?少し黒いなあ、というのも当たり前、石炭のカスがその水滴の中には混じっており、私のカメラを汚していく。まあ、これくらいの汚れは拭き取れば直ぐ消えるようなもので、あまり気にしていなかった。しかし、この水滴が後に大惨事の引き金になるとは、この時は予想だにできていなかったのであった。ちなみに中段の左にある、篠目駅で少々停車したので、この右にある写真を収める。もう辺りは緑があふれる感じになっている。空気が非常に清んでおり、なんとなく元気をもらった気がする。
【回想記007】 新山口~湯田温泉~地福_b0000480_0382816.jpg いくつものトンネルを越え、列車が動き出してから約1時間後、地福駅に到着。ちなみに途中駅で乗降する客は殆どいない。基本的には、終点の津和野駅まで行った後に、又3時過ぎに出発する同じ列車に乗って、帰ってくるパターンらしい。私のように、そのあと列車を乗り継いで、という人間はあまりいないのだろうな。とにかく、まだまだ旅は始まったばかり。さあ、徐々に楽しむぞー、と気合を入れていくのであった・・・
by hidemite | 2004-12-02 01:35 | 山陰旅行記
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